ロシアの首都モスクワの郊外で発生した銃乱射事件について、過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出したことで、ロシア当局はこの銃乱射事件をテロと断定しました。
しかし、なぜ「イスラム国(IS)」はロシアでテロを行ったのでしょうか。
そこでこの記事では、イスラム国(IS)がロシアでテロを行った理由について、分かりやすく解説していきます。
また、銃乱射事件がロシアが自作自演ではないか、と言われる理由もまとめました。
ぜひ、最後までゆっくりご覧ください。
イスラム国ISがロシアの首都モスクワ郊外のコンサートホールで銃を乱射
2024年3月22日、モスクワ北西郊外のコンサート会場「クロッカス・シティー・ホール」で銃乱射事件が発生し、ロシアの連邦捜査委員会は24日の時点で137人が死亡したと発表しました。
事件当時は、ロシアのロックバンド「ピクニック」の公演が予定されていたので最大6,200人が会場にいたと言われています。
23日午後には、ロシア国営テレビで放映されたビデオ演説では「血なまぐさい野蛮なテロ攻撃だ」と「プーチン大統領」が犯人を激しく非難しました。
イスラム過激派組織ISがSNS上で犯行声明!
事件が発生した22日、ロシア発のSNS「Telegram(テレグラム)」にイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を投稿しています。
そこでは「多くのキリスト教徒が集まる場所を攻撃し、大規模な破壊を引き起こした」と主張していますが、犯行の確かな証拠は示されていません。
ちなみに「イスラム国」は国家として世界に認められていません。
また、「イスラム教」とは無関係の存在です。
このことからイスラム国を「IS(イスラミックステート)」と呼んでいます。
過激派組織として「ISIL(アイシル)」「ISIS(アイシス)」や、地域組織「ISIS-K(アイシスケー)」などがありますが、ややこしいので過激派組織「IS」とまとめて呼ぶことが多いです。
イスラム国ISがロシアでテロを行った理由は逆恨みか
「IS」は国連軍によって2017年に最後の拠点を陥落、2019年には「IS」の指導者「バグダディ」氏の死亡が確認され「IS」は解体しましたが、今も各地で「IS」に影響を受けた組織によるテロ行為が行われています。
そして、今回の銃乱射事件も「IS」が犯行したと言われていますが、なぜロシアが「IS」の標的となったのでしょうか。
シリア内戦で大規模な空爆をしている
今も続くシリア内戦ですが、2013年にシリア国内を占拠する「IS」に対してロシアが大規模な空爆を行ったことで、シリア軍が支配地域の奪還に成功しています。
このことから、「IS」はロシアのプーチン政権を恨んでいるのは間違いありません。
ユダヤ教会襲撃を阻止した
ロシアの「連邦保安局(FBS)」は、テロ計画を未然に気づき、3月8日に過激派組織「IS」のユダヤ教会襲撃を阻止したと発表しています。
ユダヤ教会襲撃を阻止されたことから、ISがロシアに逆恨みをして銃乱射事件を起こしたとも言われています。
ウクライナ侵攻でイスラム教徒を優先的に動員している
ウクライナへの侵略を続けるロシアは、「イスラム教徒」を含む少数民族を優先的に激戦地へ投入していると言われています。
独立系ニュースサイト「メディアゾーナ」や英「BBC」の独自調査によると、死亡を確認したロシア軍兵の出身地の中で、もっとも多かったのは9割がイスラム教徒のダゲスタン共和国で267人した。
ロシアの首都モスクワは14人で、ダゲスタン共和国の死者数はモスクワの19倍となっています。
過激派組織「IS」は、あえてイスラム教徒を激戦区に送り込んでいるロシアに報復したのではないかとも言われています。
ただ「イスラム教徒」は、過激な活動を続ける「IS」を同じ「イスラム教徒」と認めていません。
ロシアが自作自演の可能性も
今回の銃乱射事件はロシアによる自作自演ではないかと言われています。
3月8日にロシアが阻止したユダヤ教会襲撃は、在ロシア米国大使館も事前に計画を察知しテロを警告していますが、3月22日の銃乱射事件は察知できませんでした。
また、過激派組織「IS」は犯行声明を出しましたが、いまも証拠は示されていません。
そして、過去にロシアはテロ事件を自作自演していた可能性を指摘されています。
過去にロシア高層アパート連続爆破事件で自作自演
1999年にロシアで起こった爆破テロ事件で、モスクワを含む3都市で爆発が発生し、計300人もの命が奪われました。
当時、連邦政府議長だった「プーチン」首相は「チェチェン共和国」の独立派武装勢力によるテロと断定し、「チェチェン共和国」へ侵攻することで、国民からの支持を集め大統領に初当選しています。
しかし、チェチェン独立派武装勢力の犯行だと言える確かな証拠は見つかっておらず、連続爆破事件は「プーチン」首相を大統領にしたい「ロシア」の自作自演ではないかという疑惑は晴れていません。
自作自演だと言う証拠も見つかっていませんが、真相究明に当たった政治家や記者は、毒殺など謎の死をとげています。
今回の銃乱射事件についても、自作自演している証拠は何もありませんが、「ウクライナ」が関与していると発言していることから、ウクライナ侵攻を続ける口実にする可能性は高そうです。
「IS」は実行犯なのか、「ウクライナ」は関与しているのか、「ロシア」がどんな報復をするのか、今後の動向から目が離せません。
まとめ
ロシアの首都モスクワの郊外で発生した銃撃事件について、過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出しました。
「IS」は解体しましたが、今も各地で「IS」に影響を受けた組織によるテロ行為が行われています。
今回の銃乱射事件は、なぜロシアが「IS」の標的となったのでしょうか。
- シリア内戦で大規模な空爆をしてISに大打撃を与えた恨み
- 3月8日にISによるユダヤ教会襲撃を阻止した逆恨み
- ウクライナ侵攻でイスラム教徒を優先的に動員している報復
「IS」がロシアでテロを行った理由はいくつかありますが、テロを行った証拠が今も示されていないので、ロシアの自作自演だという噂もあります。
1999年にロシアで起こった爆破テロ「ロシア高層アパート連続爆破事件」では、テロにおびえる国民からの支持を集め、首相だった「プーチン」氏は大統領に初当選しています。
しかし、テロだと言える確かな証拠は見つかっておらず、連続爆破事件は「プーチン」首相を大統領にしたい「ロシア」の自作自演ではないかという疑惑は晴れていません。
今回の銃乱射事件について、自作自演している証拠は何もありませんが、ウクライナが関与していると発言していることから、ウクライナ侵攻を続ける口実にする可能性は高そうです。
「IS」は実行犯なのか、「ウクライナ」は関与しているのか、「ロシア」がどんな報復を与えるのか、今後の動向から目が離せません。